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婦人画報8月号〜京の味、涼の味

パイプのけむり第1
6巻「鹿ヶ谷」が引用されている
婦人画報 8月号 1,100円 株式会社アシエット婦人画報社 335頁 232×297×18
京の味、涼の味〜はも、鮎、京野菜に和菓子、夏料理の真髄 書籍紹介記事
ID 頁数 店名 タイトル・店名・場所・電話
1 15 嵐山吉兆 瀬戸内寂聴「京まんだら」(京都市右京区嵯峨天竜寺芒馬場58)
Tel:075-881-1101
2 16 川上 團伊玖磨「パイプのけむり」(京都市東山区祇園町南側570-122)
Tel:075-561-2420
3 19 京料理 修伯 川端康成「古都」(京都市東山区下河原通高台寺塔之前上る金園392) 
Tel:075-551-2711
4 22 和菓子処 ほうせん 幸田露伴「水の味」(京都市左京区下鴨西高木町25)
Tel:075-712-1270
 ・・・・(前略)実は團伊玖磨様の「パイプのけむり」で、 京都の祇園にある料理屋「川上」の記述があるはずなのですが、探してもなかなか見つからず(本も揃わず) もし何巻にあるということがおわかりでしたら、 おしえていただけないでしょうか。 婦人画報の8月号で川上の料理を取材し、そこにエッセイや小説の抜き書きを添えて ページをつくりたいと思ってます。 近くの本屋や図書館に「パイプのけむり」が置いてなくて、困りました。 川上のご主人にきいても、「よく團さんは見えてました。」とおっしゃいますが、その随筆文を保存してないそうなのです。・・・

 このメールを、株式会社アシエット婦人画報社の須田様からいただいたので、すぐに
「その文章は、第16巻。45「鹿ケ谷」251頁にあるのではないか」
と、この頁を早速、添付して送付したところ、7月1日に件の婦人画報8月号が届いたのである。何時見ても、美しく贅沢な編集だ。
 團さんの甥、ユニークなグラフィックデザイナーの藤枝リュウジさんと永六輔さん(團、芥川、黛、「三人の会」の事務局に勤めていた)、ご両人が九代目正蔵の頁を飾っていることを編集部は、ご存知なのだろうか。
 
 團さんは「鹿ケ谷」の文中、この地に纏わる源平の物語を語りながら、一時代を築いた京野菜、鹿ケ谷南瓜(瓢型)のことを語っている。この、文章の中で出てくる飲食処は、「川上」、「千花」、「北斎」、「のり泉」、「南一」、「貝田」、「てる子」、「吉うた」、「天まつ」である。それらのお店に、何故、良く行くかというと、
 「これらのお店は気が合うから足しげく行くのだ」
と、書いておられる。
 このメールをいただいて、この部分を再読し、團さんの文章構成のテクニックを再認識した。
 「鹿ケ谷」という地名から源平の盛衰を説明し、常に飲食するお店の羅列により食材に帰趨している。
 「鹿ケ谷」という南瓜の種子を入手するということになり、合唱団メンバーにそのことを尋ねるが、市場にも出回っていないから知らないという。時代と共にその歴史ある南瓜も平家のように消滅しようとしている。
 このエッセイは、昭和60(1985)年に書かれたもの、今でもこの南瓜を栽培して居る農家があるのだろうか。
 團さんの足跡がこのような雑誌に取り上げられるのは、うれしいが、「パイプのけむり」読もうとしても本屋にも、図書館にも見当たらない。座右において何代も読み継がれるから、古本屋にも見当たらないのだろう。(早崎日出太)