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渋谷・たばこと塩の博物館
特別展 広告の親玉、赤天狗参上

明治のたばこ王 岩谷松平
左側から、チラシ表、小冊子表紙、チラシ裏
日時:2006年1月28日(土)〜3月12日(日)
場所:
渋谷・たばこと塩の博物館 4階特別展示室
企画協力:薩摩川内市川内歴史資料館
開館時間:午前10時〜午後6時(入館は午後5時30分まで)/休館日:毎週月曜日
入場料:一般・大学生:100円(50円)、小・中・高校生:50円(20円)
No 初出年度 名称 形態 本数 サイズ 価格 製造元 備考
明治初期は、細刻み煙草が主流だった
明治初期に 岩谷(煙草販売)、明煙社(巻き煙草製造)、鴻野屋(煙草問屋)、村田小兵衛(煙管)
1873(明治6年)9月16日 ウィーン万国博覧会に参加した、竹内毅と石川治平が紙巻煙草製造機を購入
1877(明治10年) 上記の紙巻煙草製造機により、製造した第1回内国博覧会に出品、褒賞受賞
1877(明治10年)8月 岩谷松平衛商店銀座に進出
1879(明治12年) 岩谷松平衛商店、紙巻煙草の発売開始
1879(明治12年) 紙巻煙草 明煙社
1880(明治13年) 弟右衛が葉煙草の研究を始める
1881(明治14年) 草煙草 紙巻 土田安五郎 彦根藩下級武士
1881(明治14年)6月10日 土田安五郎、紙巻煙草を出品。第2回内国博覧会に出品、有功賞三等を受賞
1881(明治14年) ニューヨーク州ロチェスターのキンボール社「オールド・ゴールド」の東洋での独占販売権取得
PINE
薩摩煙草 刻み 40-70銭 岩谷松平 100匁
1882(明治15年) 岩谷松平は。弟右衛、長男鷹蔵を煙草耕作、製造で渡米させる
1884(明治17年) 天狗煙草 口つき 20本 4銭 岩谷松平
天狗煙草の販売開始は不詳。
煙草行政に関わっていた佐々木善次郎著「実用煙草編」(1925)には、明治17年頃とある。
アメリカで学んだ弟右衛帰国、鹿児島県揖宿郡でアメリカ葉の試作開始、栽培成功
東京、青山でもアメリカ葉の栽培を行い、収穫した葉は生産、販売された
1885(明治19年) 巴牡丹 口つき 千葉松兵衛
千葉松平衛(1864-1926)明治18年先代より家業を引き継ぎ、紙巻煙草の生産開始
1886(明治19年) 横浜居留地に米の煙草屋が開店
1886(明治21年) 第一玉椿 両切り 10本 3銭 岩谷松平 製造月日が書き込める
1889(明治22年)9月30日 第一玉椿 両切り 100本 6-16銭 岩谷松平
1890(明治23年) 岩谷松平、第3回内国勧業博覧会(上野)に出品、有功賞三等を受賞
千葉松平衛、第3回内国勧業博覧会(上野)に出品、有功賞二等を受賞(この博覧会の審査員を命じられている)
1891(明治24年) サンライス 村井吉兵衛
1892(明治25年) ピンヘッド 両切り 村井吉兵衛兄弟商会
1894(明治27年)3月 ヒーロー 村井吉兵衛
1896(明治27年) ピーコック 両切り 村井吉兵衛兄弟商会 清国で販売
明治33年パリ万博金賞
サーチライト 両切り 村井吉兵衛兄弟商会
1897(明治28年) バージン 両切り 村井吉兵衛兄弟商会 バージニア産葉
1901(明治34年) オールド・ゴールド 村井吉兵衛兄弟商会
1902(明治35年) レース 両切り 村井吉兵衛兄弟商会 バージニア産+国産葉
1900(明治33年) 忠勇 口つき 村井吉兵衛兄弟商会
バトルアッキス 両切り 村井吉兵衛兄弟商会
キング・フィッシャー 両切り 村井吉兵衛兄弟商会
ハロー 両切り 10本 3銭 木村商会 明治33年村井が買収
鷹天狗 口つき 岩谷松平
陸軍天狗 口つき 10本 1銭 岩谷松平
征清天狗 口つき 20本 4銭 岩谷松平 岩谷商会第一工場
恩賜 口つき 20本 6銭 岩谷松平 岩谷商会第一工場
1897(明治28年) 恩賜記念 口つき 20本 6銭 岩谷松平 岩谷商会第一工場
千葉松平衛、第4回内国勧業博覧会(京都)に出品、有功賞一等を受賞
1900(明治31年) 国益天狗
輸入退治天狗
大王
口つき 岩谷松平
1902(明治35年) 日英同盟天狗 岩谷松平
1902〜3(明治35〜6年) 日の出
冨士(不二)
吉野
口つき 20本
20本
5銭
5銭
岩谷松平商店
1903(明治36年) シルヴァーライト 銀口付 千葉商店 第5回内国勧業博覧会
出品
1904(明治37年)7月 敷島
大和
朝日
山桜
愛国天狗
口つき



20本




4銭
煙草専売局
スター
チェリー
リリー
両切り
1904(明治37年) ハッピー 両切り 岩谷松平
ルビー 両切り 岩谷松平
1905(明治38年)4月 福寿草
白梅
さつき
あやめ
はぎ
もみじ
刻み 煙草専売局
以下、年度、詳細不明 赤天狗
赤天狗
口つき 6分巻
8分巻
4銭
6銭
岩谷松平 100本入り2銭増
赤天狗 口無 9分巻 8銭 岩谷松平
白天狗
白天狗
白天狗
口つき 6分巻
8分巻
9分巻
6銭
10銭
13銭
岩谷松平
白天狗 口無 9分巻 15銭 岩谷松平
青天狗 口つき 8分巻 12銭 岩谷松平
子天狗 口つき 8分巻 14銭 岩谷松平
中天狗 口つき 9分巻 16銭 岩谷松平
中天狗 口無 9分巻 20銭 岩谷松平
大天狗 口つき 1寸巻 20銭 岩谷松平
強天狗 口つき 9分巻 18銭 岩谷松平
銀天狗
銀天狗
銀天狗
口つき 6分巻
8分巻
9分巻
12銭
16銭
20銭
岩谷松平
銀天狗 口無 9分巻 24銭 岩谷松平
金天狗 口つき 9分巻 24銭 岩谷松平
金天狗 口無 9分巻 30銭 岩谷松平
黒天狗 口つき 8分巻 5銭 岩谷松平
富士鷹 12銭 岩谷松平
両鷹號 13銭 岩谷松平
丁天狗 荒切 15銭 岩谷松平
初鷹號 15銭 岩谷松平
揖宿 18銭 岩谷松平
新鷹號 18銭 岩谷松平
両天狗 荒切 18銭 岩谷松平
乙鷹號 20銭 岩谷松平
鷹號 23銭 岩谷松平
乙天狗 荒切 23銭 岩谷松平
鷹乃井 25銭 岩谷松平
甲鷹號 28銭 岩谷松平
甲天狗 荒切 28銭 岩谷松平
甲鷹乃井 30銭 岩谷松平
一羽鷹 35銭 岩谷松平
二羽鷹 40銭 岩谷松平
無類鷹號 50銭 岩谷松平
陸軍天狗 口つき 10本 8分巻 1銭 岩谷松平
海軍天狗 口つき 10本 9分巻 2銭 岩谷松平
義兵天狗 口つき 20本 8分巻 2銭 岩谷松平
岩谷天狗 口つき 20本 9分巻 3銭 岩谷松平
鷹天狗 長口付 20本 9分巻 6銭 岩谷松平
木の葉天狗 100本 6銭 岩谷松平
赤天狗 口つき 50本 9分巻 5銭 岩谷松平
白天狗 口つき 50本 8分巻 5銭 岩谷松平
青天狗 口つき 50本 8分巻 6銭 岩谷松平
小天狗 口つき 50本 8分巻 7銭 岩谷松平
日の出天狗 口つき 20本 8分巻 3銭 岩谷松平
御賜天狗 口つき
口つき
50本
20本
1寸巻
1寸巻
15銭
6銭
岩谷松平
中天狗 口つき 50本 9分巻 8銭 岩谷松平
銀天狗 口つき 50本 9分巻 10銭 岩谷松平
大天狗 口つき 50本 1寸巻 10銭 岩谷松平
日本天狗 50本 10銭 岩谷松平
金天狗 口つき 50本 9分巻 20銭 岩谷松平
大江戸 細巻 千葉商店
國華 大巻 千葉商店
牡丹拾号 中巻 千葉商店
牡丹七号 中巻 千葉商店
かほる 細巻 千葉商店
牡丹三号 中巻 千葉商店
五人男 細巻 千葉商店
眞太閤 大巻 千葉商店
白牡丹 口付 10本 大巻 2銭 千葉商店
愛國 長巻 千葉商店
かほる 中巻 千葉商店
芙蓉 中巻 千葉商店
千種 20本 3銭 千葉商店
花印 口付 50本 5銭 千葉商店
 この表は、この展示会がオープンした、1月27日のレセプションでいただいた参考資料小冊子「明治のたばこ王・岩谷松平」から抜粋したものです。年代、形態、内容、コスト、など不明な部分がありますが、この時代の民間で売られた煙草の流れは、年譜や岩谷松平の経歴とこの表を照合することにより見えてくるものがあります。
 しかし、煙草の形状、サイズ、梱包本数、包装の方法、コストの設定などまだまだ解明していません。追々にデーターの空白部分を埋めていくとしても、この展示会からは、見えてこない、地球環境、地質の変化、植物としての煙草葉、周辺を取り巻く使用材料などの性状など、など、150年前から現在まで、どう変化して来たのか興味深いものであります。
 また、この時代、民間から専売性に変革した時代背景、商習慣、煙草葉の生産、加工、紙巻煙草の紙質、商品企画、パッケージデザイン、広告宣伝、販売戦略、どれを取っても今の時代に帰趨するだろうと思うと、意外と現代の人々は、偉大な人々がゼロからスタート構築した煙草に関する全ての手法を繰り返しているに過ぎないのかもしれないと思うのです。
 といっても、もちろん、日本たばこ産業の各部門の方々が、各専門分野でそれぞれ、調査、研究されているので、門外漢がとやかく論ずる必要はないかもしれませんが、團伊玖磨さんが、「パイプのけむり」に書き残された煙草に関する諸々と、これらの煙草を世に残した人々のメッセージの間にある脈絡を綿密に連結したいとの想いが強くなるのです。(早崎日出太)