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20年後の桧原桜の物語

 
  花守り 進 藤 市 長 殿 

 
      花あわれせめては あと二旬 ついの開花をゆるし給え    詠み人知らず
 20年前に、桜並木の花の季節を守るために書かれた、上記の句作をされたご当人から丁重なお手紙をいただいた。私が、この本のことを本ホームページに紹介したことへのお礼の言葉が記されていた。
 作者は、あれはハプニングだとご謙遜されているが、火付け役としての優しい訴えがが多くの方々の優しさを導き出したのだと思う。
 何故、こんな殺伐な時代になってしまったのだろう。
 この物語に一石を投じた人々は皆、何処に行ってしまったのだろう。
 星を見ても感動するわけでもなく、花を見ても季節の移ろいを感ずることもなく、学問に熱中するわけでもなく、ただ、一握りのヒーローに感動し、自分では何もしない。古代人のように何の決まりもなく自由という、自由でない世界に憧憬する人々の群れ。
 「あちこちで、無闇に伐採される桜や街路樹が一本でも、二本でも助かればいいと願っている」と土居さんはおっしゃっている。
 木は、どんな木でも三十年〜五十年の歳月が必要であることは、誰もが知っている、それなのに簡単に木を切ってしまう。企業の深層心理、経営者の深層心理も、木を簡単に切るように人を切る。世の中の風潮が全てそうなってしまったのだろうか。ある市の河原の中央に三十メートルを越す高い欅の木があった。
 ある日、その巨大な欅の木が忽然と消えてしまった。
 「あの木を何処に移したんですか。」
 私は、ある首長に問いただした。
 「ああ、あれね、花火をするのに邪魔になるので切りました」
 「何十年も掛かって大きくなった木を!」
 私は、絶句していた。
 木は、風雪に耐え、人々の歴史をずっと見つめているのに、人間は勝手に木に問い掛けることもなく切倒してしまう。
 著者の投げかけた一句の物語を、教科書に取り上げられたというが、教育者は、どのような方法でこの物語を子供たちに教えるのだろう。子供たちは、どんな気持ちでこの話を聞くことができるのだろうか。 もしかしたら、だれの目にも触れないこんな素敵な話が、二十年経った今の時代にもどこかにあるんだろうか。
 この俳句の同人誌(根っこの会〜同人誌)には、この物語「檜原桜」の以後の歴史を記されておられる。人々の輪が桜の木を助け、そのまた輪がさらに、世の中を素晴らしいものにしている。その経緯が文章の端々に見え、さらに人々の優しさの輪が広がっていることをいただいたご本から読み取り、土居さんの風流な思いが桜木とともにもっともっと継承されればと、また、感動を新たにした。(早崎日出太)
書 名 編者 価格 発行所 備考
ばあこうど4 根っこの会 800 海鳥社 土居善胤(一部)その他俳句他

 ご連絡先;郵便番号812-0053 福岡市東区箱崎3-8-11 
多田薫様方 TEL.FAX:092-641-5753
[土居善胤 福岡シティ銀行広報顧問、福岡文化連盟賛助会員]