トップ頁へ 目次へ
「東京人」食べ歩きあの人この人に掲載

團伊玖磨、田中一光、古波蔵保好、辻静雄
田中小実昌、諸井薫、池田満寿夫、山本夏彦、
武田百合子、淀川長治、安藤鶴夫
座談会:大村彦次郎、小沢信夫、森まゆみ
 東京人2004年1月号・表紙・目次
 先月、たばこ総合研究所の西川さんから「團先生が、東京人の1月号に掲載されていますよ」
 と、電話をいただいた。早速、本屋に出向いたらもう、1月号は無く2月号に入れ替わっていた。
 注文したら、10日ほどして届いた。随分、若い團さんご夫妻の写真が見開きで掲載されていた。
 目次にも、團さんの食卓での姿が小さな写真で掲載されていた。
 先生は、世界各国の旅をして、色々なものを召し上がっていた。レストラン、料理屋、屋台から、天秤棒を担いで来る物売りまで多種多様な食材に出会ったと話された、常識では考えられない気味の悪いもの、食べられるとはどうしても思えないものまでである。そのうち、「パイプのけむり」辞書に食物欄を掲載する予定だが、かちどき橋の事務所に届けられるウナギが宮川本纏の鰻だったとは知らなかったことをHPの「駒形どぜう」の頁に書いた。演奏会の前には、良くご馳走になった。何だか、焼き肉が多かったように思う。「ここに、おいしい焼き肉屋さんあるから、行きましょう」いつも、楽しい旅の話をしながらおいしい焼き肉をいただいた。
 私は、著名なレストランや高価な物よりも、どちらかと言うと、幼児の記憶を辿りながら、卵ボーロ、金平糖、スマックアイスクリーム、森永キャラメルなどのお菓子類を研究し、何処で誰が作ったかを突き詰め、製造工程までをも探索する先生の旺盛な探求心に魅力を感じていた。
 当然、料理についても同様に60年代後半から70年代は、海外への取材旅行も多く「パイプのけむり」もすでに執筆されていたから、週刊朝日カラー別冊に掲載されたフランスへのフォアグラ、タイへのつばめの巣についての取材は、パイプのけむりを書くためかとも思えた。
 重金敦之氏がこの東京人に書いておられる著名なレストラン「アラスカ」(名コック=飯田進三郎)や桃花林や、尾花や、宮川本纏、駒形どぜう、果ては、中国料理の食材つばめの巣の取材にタイにある南海の洞窟までもに赴く、食に対する先駆者であり、ここでは、團さんの日本そばについての思考にたいして、その文章にはスノビズム(知識をひけらかすことを楽しみにする)とアイロニー(=皮肉、無知を装うことによって逆に相手に無知を自覚させる)が表裏にあり、韜晦(とうかい=自分の才能、地位身分、行為を包み隠すこと、人の目をくらますこと)と諧謔(かいぎゃく=気の利いた冗談、ユーモア)が縦横に忍ばせてあると表現されている。アイスクリームは、嫌いだとおっしゃりながら、スマックのことを細かな歴史など3代の経営者のエピソードを織り交ぜながらアイスクリームについて蘊蓄を傾けておられた文章がこれにあたる。
 4頁という短い文章の中で團さんの食についてのことを端的に纏められていて、また、「パイプのけむり」を引き出したい欲望に駆られるのは私だけだろうか。
(早崎日出太)